研究概要 |
Cを種数gの閉リーマン面とし,s(C, 2)をCを平面曲線として表現できる最小次数とする.これに関して以下の諸定理を得た.「定理1. s(C, 2)=9+2-t(t〓0)とする.このとき,もし9〓(t+1)(t+2)ならばCは種数g'のリーマン面C'の2重被覆になる.ここで,g'はg'〓t(t+1), g〓2(g'+t+1)をみたす.さらにg〓3t^2+4t-1ならばg'〓tが成り立つ.」「定理2. Cが種数g'〓1の超楕円面の2葉被覆ならば,s(C, 2)〓g-2g'+3が成り立っ.さらにgが偶数でg〓4g'またはgが奇数でg〓6g'ならばs(C, 2)=g-2g'+3になる.」この定理の系として「系.g=8, g=10またはg〓12で,Cが種数2の面の2葉被覆ならば, s(C, 2)〓g-1が成り立つ.」これらのことから,次の定理を得た.「定理3. g=10またはg〓12で,Cが超楕円面でも,楕円面の2葉被覆でもなければ,s(C, 2)〓g-1である.特にs(C, 2)=gとなる面はない.」この結果はある意味で大方の予想を覆すものであり,海外でも評価が高くドイツの一流国際誌に掲載された.
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