研究概要 |
この研究の目的は,非線形高階常微分方程式に対して振動理論と特異境界値問題を複合的に考察することである。とくに,Emden-Fowler型の非線形項をもつ非線型方程式を重点的に解析し,ある特別な漸近的性質をもつ正値解の存在性/非存在性,正値解の全体の構造,境界値問題の解の存在性・一意性・零点の個数等について研究することである。 今年度,この研究によって得られた新しい結果,新しい知見は主として次の様なものである。 1.ある準線型常微分方程式とその線形化方程式に対する新しい恒等式を得た。そして,その恒等式を利用して様々な境界値問題の解の一意性に関する結果を得た(連携研究者・田中敏の論文:Journal of Mathematical Analysis and Applications)。 2.Emden-Fowler型の非線形項をもつ高階劣線形常微分方程式を,係数がtの冪乗のように振舞うときに考察し,いわゆる中間オーダーの正値解の漸近形を決定した(研究代表者・内藤学の研究実績(論文執筆中))。
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