研究課題/領域番号 |
19540190
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
諸澤 俊介 高知大学, 理学部, 教授 (50220108)
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研究分担者 |
加藤 和久 高知大学, 理学部, 教授 (20036578)
谷口 雅彦 奈良女子大学, 理学部, 教授 (50108974)
藤解 和也 金沢大学, 自然科学研究科, 准教授 (30260558)
石崎 克也 日本工業大学, 工学部, 准教授 (60202991)
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キーワード | 複素力学系 / 超越整関数 / 解析学 / 関数論 / 値分布論 / ジュリア集合 / ファトウ集合 / 複素誤差関数 |
研究概要 |
諸澤と谷口は二つの特異値を持つ構造有限型整関数の力学系について研究を行った。構造有限型整関数は谷口により定義されたものである。特異値が二つのものは3次多項式、単純象眼指数関数、複素誤差関数のいずれかである。ミルナーがただひとつの有界な特異値を持つ2次多項式の力学系に続いて3次多項式それについて考察を行った。この考え方に従って研究を進めた。特にパラメータ空間の双曲成分の分類について考察した。その中でもcapture型と呼ばれる双曲成分について詳しく調べ、ある種のcapture型の非存在を示した。また、多くの例を構成することができた。それらの結果を論文にまとめ「Computational Methods and Function Theory」に投稿し、掲載が決まった。 諸澤は複素誤差関数の考察を行った。この関数は二つの複素数をパラメータとして持つ。特にパラメータとして実数を考えた。これにより数値実験の結果を2次元平面に表すことができる。この二つ実パラメータ空間の図から、一点における分岐と双曲成分の境界に沿っての分岐の二通りが見て取れる。これらの分岐について考察し、その理由を解明した。これらの結果は研究集会「The 15th International Conference on Finite or Infinite Dimensional Complex Analysis and Application」と「複素力学系とその周辺分野の研究」で発表した。 石崎はある関数方程式を満たす無限乗積で表される整関数の力学系についての考察を提案した。これについて諸澤が数値実験を行いコンピュータを用いて絵を描くことができた。このことから多重連結な遊走領域を持つだろうという予想が得られ、現在研究中である。
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