研究課題
基盤研究(C)
(1)科学研究費の多くは研究打ち合わせ、研究連絡、情報収集のための旅費および設備備品費として使用する。設備備品費はパーソナルコンピュータの購入に使用する。本研究において数値計算は重要な役割を果たす。計算結果から得られる絵は、問題発見や予想に用いられる。また、これらの絵は問題解決後には、その成果発表で解決に至った着想や問題意義の説明にも利用される。ラップトップコンピュータは軽量化し、性能もあがっているので、成果発表の場へ持参も不可欠である。(2)2次多項式は複素平面内にただひとつの臨界点を持つ関数であり、最も基本的な複素力学系の研究対象である。また、指数関数はただ一つの特異値、それは漸近値である、を持つ複素関数である。これは超越整関数の複素力学系の研究での最も基本的な関数族である。これらの発展として複数個の特異値を持つ関数族、特に漸近値を必ず持つ超越整関数の族を考える。基本的なものとして特異有限型整関数を扱う。この中でも二つの特異値を持つ特異有限型整関数の族のパラメータ空間における双曲成分を谷口と考察する。(3)二つの特異値を持つ特異有限型整関数で、その特異値が二つとも漸近値であるものが複素誤差関数である。この関数族のパラメータ空間を研究する。これは3次の多項式が有界な二つの臨界値を持つことに対応する。パラメータ空間における分岐の様子は興味深いものがある。(4)連携研究者の石崎克哉は関数方程式と微分方程式の専門家である。Schroederの関数方程式における解のSchroeder関数の値分布論的性質、とくにジュリアの方向とボレルの方向、と関数方程式の定義関数の複素力学系的性質の考察をする。またこの研究は半共役な関数のもつ複素力学系的性質の研究にも関連している。(5)特異値とは臨界値あるいは漸近値である。これらの力学系的性質の違いを考えて行きたい。
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http://www.math.kochi-u.ac.jp/morosawa/index.html