研究概要 |
気体星のように自己重力のもとで運動している気体は,圧縮性Euler-Poisson方程式で記述され,圧力場が密度場の指数関数のとき,その指数によって非自明な定常解があり,この定常解の安定性,非安定性が気体星の形成を示唆することが予想されている.気体星の運動を記述するEuler-Poisson方程式で,滑らかな境界を持つ3次元有界領域で粘性の効果を考慮にいれ,重力場にノイマン境界条件を加えた圧縮性Navier-Stokes-Poisson方程式を考察し,古典的な凸解析,コンパクトネスの議論,補完測度法,放物型方程式の最大正則性原理,Riesz作用素,Bogovskii作用素等のポテンシャル論を用いて,単原子気体を含むより広い圧力場の場合に,弱解の時間大域的存在を示し,変分原理により導かれる平衡解に対して双対変分原理によって線形化安定性を示した. 磁気流体力学に現れる方程式である圧縮性Navier-Stokes-Maxwell方程式では滑らかな境界を持つ3次元有界領域で考察し,単原子気体を含むより広い圧力場の場合に,弱解の時間大域的存在を示した.圧縮性Navier-Stokes-Poisson方程式の弱解の時間大域的存在の証明では,第一近似方程式の解の存在を示すとき,熱方程式より得られる解析的半群論と生成作用素の分数べきの定義域が用いて解の正則性が導くが,圧縮性Navier-Stokes-Maxwell方程式の第一近似方程式の解は,ノイマン境界条件のStokes半群を用いる点が大きく異なっている。
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