研究課題/領域番号 |
19540196
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
高橋 泰嗣 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30001853)
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研究分担者 |
高橋 眞映 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50007762)
加藤 幹雄 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50090551)
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キーワード | Geometry of Banach spaces / Uniform non-squareness / Normal structure / Gao's constant / James constant / von Neumann-Jordan constant / Hlawka inequality / Triangle inequality |
研究概要 |
研究課題「バナッハ空間の幾何学的定数とノルム不等式の研究及びその応用」について、代表者は研究全般・総括を、分担者は代表者に指示された分野の研究を行い、数々の成果を得た。これらの成果は、日本数学会、国内で開催された各種研究集会(数理解析研究所、実解析学、関数空間等)、国外で開催されたセミナー等で口頭発表、また、Tokyo J. Math.、数理解析研究所講究録、北海道大学数学講究録等の国内雑誌、及び、Math. Inequal. Appl., Nonlinear Funct. Anal. Appl.等の国際雑誌で発表した。以下に、その概要を述べる。 1.バナッハ空間の幾何学的定数については、James定数、von Neumann-Jordan定数、Gao定数等を中心に、幾何学的性質との関係、それらの定数の相互関係(不等式で表示)を考察した。更に、それらの定数を一般化し、様々な定数を統一的に扱うための大きな枠組みを提案した。既知の結果が容易に導かれ、新たな結果も得られた。 2.バナッハ空間のノルム不等式については、特殊なノルムで成立するHlawka不等式、一般のノルムで成立するDunkl-Williams不等式、Dragomir不等式等について、その一般化や精密化、及び、逆不等式等を考察した。特に、Hlawka型不等式とその逆不等式について、それらが成立するための必要十分条件を与えた。 3.バナッハ空間における任意の縮小写像は不動点をもつ。この縮小写像の原理は解析学の様々な分野に応用される。非拡大写像については、不動点の存在を保証する条件として正規構造がある。正規構造をもつための条件を幾何学的定数との関係で考察した。
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