研究課題/領域番号 |
19540199
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
山崎 多恵子 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60220315)
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研究分担者 |
小林 隆夫 東京理科大学, 理工学部, 教授 (90178319)
立川 篤 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50188257)
牛島 健夫 東京理科大学, 理工学部, 講師 (30339113)
松山 登喜男 東海大学, 理学部, 教授 (70249712)
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キーワード | 解析学 / 関数方程式論 / 非線形解析 |
研究概要 |
時間に関する2階導関数の項にパラメータを伴う、消散項のある非線形双曲型方程式に対する初期値問題においてパラメータを0に近づけたときの特異摂動問題について考察した。消散項のある双曲型方程式は放物型方程式と双曲型方程式の両面をもっており、双曲型方程式の解はパラメータを0に近づけたとき対応する放物型方程式の解に近づくことが期待される。実際、線形双曲型放物型特異摂動問題に関しては多くの研究があり時間一様な評価が知られてい。一方,パラメータが一定のときに、時間を無限大に近づけたとき消散項のある線形波動方程式の解が対応する放物型方程式の解に漸近することは多くの研究者により示されている。Chill Harauxは定数係数線形抽象双曲型方程式と対応する放物型方程式の解の差の両者を組み合わせた評価、すなわち、パラメータを0に近づけたときに0に近づき、かつ時間に関しても減衰する評価を与えた。本研究では時間に関し減衰する消散項を持つ変数係数線形抽象双曲型方程式についての特異摂動問題考察し、パラメータを0に近づけたときの定数係数線形抽象双曲型方程式と対応する放物型方程式の解の差のパラメータと時間減衰と含む評価を与えた。Chill and Harauxが与えた評価は時間が1以上であったが、ここで与えた評価は時間が0からのものであり、時間変数に関し1階微分の評価に対してinitial layerを明らかにした評価である。さらに、この結果を非線形問題に応用し、時間に関し減衰する消散項を持つKirchhoff型準線型双曲型方程式の解と対応する放物型方程式の解の差に関しても、上記の線型方程式と同様のタイプの時間減衰評価を示した。
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