研究概要 |
1.前年度に引き続き2次元複素双曲空間に作用するPU(1,2;C)の部分群として特に(n,n,∞)-型のcomplex triangle groupの離散性について考察した。Pratousevitchは、出版予定の論文"Non-discrete complex triangle groups of type (n,n,∞)"において(n,n,∞)-型のcomplex triangle groupの生成元の積がregular ellipticの時は離散的ではないことを示した。 Pratousevitchの結果の具体的な区間を示した。しかしnが8以下の場合はこの積はregular ellipticにはならないことがわかり、Pratousevitchの結果を離散性の判定には使えないことを示した。nが8以下の場合を含めnが一般の場合に複素双曲版清水の補題を用いて上記の(n,n,∞)-型のcomplex triangle groupが離散群にはならない区間を示した。この結果はPratousevitchの結果と相補うような区間を示している。前年度のこれらの結果を改良した。 2.(n,n,∞)-型のregular ellipticな元をもつcomplex triangle groupの離散性について考察した。清水の補題を用いた場合よりよい結果は得られないことがわかった。 3.(k,l,m)-型のcomplex triangle groupに一般の場合に複素双曲版清水の補題を用いて、いつ離散的ではないかを調べた。
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