研究概要 |
本研究の目的は,C^1-安定的擬軌道尾行性をもつ鎖成分C_f(p)を,双曲的なホモクリニッククラスH_f(p)として特徴付けることである。平成19年度は,その証明に向け,以下の手順で研究を推進。 (1)C_f(p)上の接ベクトルバンドルにおける占有的分割の存在を証明, (2)C_f(p)の任意の双曲型周期点の安定な固有空間の次元は一定であることを証明, (3)C_f(p)の双曲型周期点についてのある種の一様双曲性を証明,そして最後に (4)C_f(p)の双曲性を証明する。 (1)〜(3)のステップ,及びC_f(p)-芽拡大性を仮定することによる(4)の証明は完了している。この結果は,報告者自身による一連の研究成果を礎に完成されたものであり,擬軌道尾行性理論において全く新しい研究成果である。本年度は,C_f(p)-芽拡大性の仮定を取り除くため,C^1-一般性の範疇の下で,あるいは局所極大性の概念を導入し(4)の証明に挑戦。C^1-一般性の範疇の下での証明は完了した。局所極大性の条件の下,2次元の場合,(4)の証明が完了。現在,一般化(一般次元へ拡張)を行なっている。
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