研究概要 |
本研究はコペンハーゲン大学のR.Nest氏との共同研究で得られた量子化されたリーマン面に関連して非可換幾何学を展開することである。 数年来,通常の空間に対する新しい不変量としてのTwiste dK-groupが注目されている。通常のK群を空間の3次元整係数コホモロジー群の元でひねることにより得られる。この不変量を量子化された空間に拡張することを考察した。通常の空間に対して,抽象的な定義は与えられているが,実は具体的な計算例はあまり多くは知られていない。19年度は先ず重要な例での具体的な計算を試みた。特に3次元球面,リーマン面の単位円束という最も基本的な3次元多様体について調べた。その結果を論文に纏めている段階である。Twisted K-groupの研究は黎明期にあり具体的な計算例は有益である。 ここで得られた結果を基に,量子化された空間,特に非可換3次元球面・リーマン面の単位円束の量子化に対してTwisted K-groupを定義することを試み未だアイデアの段階ではあるが道筋を見つけることができた。最終年度に当たる20年度においてはアイデアを実際に証明し,量子化された空間に対するTwisted K-groupの構成を得ることが期待される。
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