研究課題/領域番号 |
19540222
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
大塚 浩史 宮崎大学, 工学部, 准教授 (20342470)
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研究分担者 |
関口 昌由 木更津工業高等専門学校, 基礎学系, 准教授 (30236088)
仙葉 隆 九州工業大学, 工学研究院, 教授 (30196985)
辻川 亨 宮崎大学, 工学部, 教授 (10258288)
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キーワード | 関数方程式論 / 関数解析学 / 応用数学 / 数理物理 |
研究概要 |
本研究は、リュービルシステム(Liouville system)とよばれる非線形楕円型連立偏微分方程式系に現れる集中現象、特に、連立方程式の中の個々の方程式の解が、同時に共通の一点の周りに集中現象をおこす「集中現象の衝突」の分類を目標として取り組んでいるが、初年度である今年度は、1.既存の結果の一般化、既存の結果の検証、2.渦点の衝突の正則化に関する研究、3.渦点の衝突の正則化の拡張、を計画に上げた。1.については、関連する変分問題の基礎的研究の必要を認識し、パレースメール(Palais-Smale)条件を仮定できないある種の変分問題における臨界点のモース指数を計算する手法を整備した。結論はリュービルシステムの場合も想定して抽象的な形で与え、今後の解析に活用できると思われる。なお今年度は、ローマ大学のG.Tarantello教授を訪問し討論する機会を得ることができた。本研究に関する様々な問題意識を共有できたことは収穫であった。2.については、研究分担者の関口氏および京都大学の柴山充瑠氏などとの研究連絡を通じ、この周辺の最新の動向(たとえば、広島大学の平岡裕章氏の3渦点の衝突の正則化に関する結果)を知ることができた。次年度以降の研究方針を立てる上で有益であった。3.については、1点の周りに集中現象を起こしつつある走化性方程式の解の挙動について、これまでまとめてきた論文を、細部の修正を経て出版することができた。これは、1点の周りに集中現象を起こしつつ走化性方程式の解の集中点の挙動が、常微分方程式で記述できること示したものであるが、今後の衝突の解析の議論の基礎となるものであると思われる。
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