研究課題
本研究は、リュービルシステム(Liouville system)とよばれる非線形楕円型連立偏微分方程式系に現れる集中現象、特に、連立方程式の中の個々の方程式の解が、同時に共通の一点の周りに集中現象をおこす「集中現象の衝突」の分類を目標として取り組んでいる。前年度に引き続き、1.既存の結果の一般化、既存の結果の検証、2.渦点の衝突の正則化に関する研究、3.渦点の衝突の正則化の拡張、を計画に上げた。1.について、今年度は特に関連する変分問題の基礎的研究として、(単独の)リュービル方程式の漸近的非退化性について既存の結果の調査・検証を進め、今後の拡張における問題点を分析し報告した。また、Napoli大学のT.Ricciardi氏、大阪大学の鈴木貴氏とともに、Liouville systemの重要な例である混合渦点系の平均場方程式の、考え得る最も拡張されたもの(強度の値が非加算無限種あるような混合渦点系)の方程式の爆発解析(非有界な解の列の極限の分類)を行った。この方程式(系)は、方程式が非加算無限個ある(関数の1パラメータ族が「解」になる)ことに由来する困難さがあり、既存の手法は直接活用できない。そこで、解の収束極限をできる限り弱い位相(関数と1パラメータの積空間での弱位相)で考える新しい解析を行った。そこで得られた主要な結果は(2種の混合渦点系の場合に知られているものの、自然な拡張になっている)「mass等式」と呼ばれるもので、この方程式における可能な「集中現象の衝突」を分類するための基礎的な成果である。2.3.については現在進行中であるが、連携研究者の関口氏とともに、渦点の衝突に関して先進的な結果を得ている広島大学の平岡裕章氏を交え、平岡氏の3渦点の衝突の正則化に関する結果を、今後の方針の枠組みのなかで検討することができた。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 備考 (2件)
数理解析研究所講究録, 1628「変分問題とその周辺」 1628
ページ: 1-21
Differential Integral Equations 21
ページ: 421-432
数理解析研究所講究録1591「変分問題とその周辺」 1591
ページ: 11-28
http://www.miyazaki-u.ac.jp/~ohtsuka/research/research.html
https://umdb.of.miyazaki-u.ac.jp/webopen/search?method=view&id=419