研究概要 |
本年度の研究では,19年度に解明すべき方針が分かった,「緯度」のみに依存する場合の非線形楕円型方程式を考察し,局所ながら分岐構造の解明をすることができた.19年度に公表した国際研究集会の紀要 "Recent Advances in Nonlinear Analysis" での成果と,数理解析研究所の講究録に掲載された内容を発展させて,これらに記載した以上の成果を得,微分方程式の分野では権威のある学術雑誌である "Journal of Differential Equations" に投稿した.現在は,査読の審査待ちの状態となっている.これらの成果は3次元以上の球面上の領域の内容であるが,2次元球面の場合は状況が異なる,この2次元の場合を,緯度と経度に双方に依存する場合を現在研究中であり,21年度もしくは,22年度までには,すべての次元で,2変数以上の依存性がある場合を解明する方針である. また関連した話題として,ポテンシャル項のついた線形熱方程式の解の挙動についても研究し,線形熱方程式の解の最大値(「ホットスポット」という)の挙動について,球対称な線形楕円型方程式の解の性質と関連づけて解明した.特に,ポテンシャルの無限遠方での減衰状況が速い場合(遅い場合は19年度中に解明し, "Journal of Differential Equations" に掲載された)のホットスポットの挙動を解明し,平成20年度に,微分方程式の国際学術雑誌である "Advances in Differential Eguations" に掲載予定となった.この方面の研究も現在は,ポテンシャルの符号を変えて(構造が複雑であることが分かってきている)研究中である.
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