研究概要 |
本年度は,「緯度」のみに依存する場合の非線形楕円型方程式の不完全分岐に関する成果が査読付きの国際学術雑誌”Discrete and Continuous Dynamical Systems”に掲載された.さらにこの成果を発展させて,「経度」方向依存も考慮した不完全分岐について取り組み,研究期間終了間際となってしまったが,どのような構造をしているかが解明された.現在は,その証明について細部を詰めているところである.平成21年度の「実績の概要」において,「固有値が近いことで生じる困難さを解決すべく研究を進めている」と記述したが,この困難さを解決できる目処が十分に立っところまで研究が進んでいる.年度が変わってしまうが,この成果は平成23年度中にも講演で公表し,国際学術雑誌に投稿する予定である. また関連した話題として,負値のポテンシャル項のついた熱方程式の解の挙動についても研究し,3次元以上と2次元の場合の違いを明確にし,2次元の場合でのポテンシャルの減衰と解の最大点の関係が,査読付きの学術雑誌”Discrete and Continuous Dynamical Systems”に掲載された.更に,ポテンシャル項の符号が正の場合は,Schroedinger半群との関連を明確に付け,Schroedinger半群の意味での「劣臨界」と「臨界」の場合それぞれについて,解の時間大域的挙動の違いが楕円型方程式の解の遠方での挙動から遺伝することを解明し,平成23年度中に国際学術雑誌に投稿する予定である.
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