研究概要 |
本研究はPR効果, プラズマPR効果, スパッターリング, ダスト衝突破壊等, ダスト円盤の寿命を決定する種々の過程を定量的に評価する. 中心星のスペクトル型や進化段階によってもっともその過程が円盤の寿命を決定するうえでもっとも有効かは異なることが予想される. これが円盤の多様性とどのように関連づけられるかを明確化にすることを目的としている. 実験的研究においては, 既存の装置を改造し, 非晶質マグネシウム・シリケート粒子への電子線照射実験を行った. その結果, 常温シリケート粒子の結晶化が生じることを見出した. 結晶化度は電子線のエネルギーおよび粒子サイズに依存する. この結果は専門紙に発表した(Y. Kimura et.al.2008). 加えて惑星系円盤条件下での結晶シリケート粒子の蒸発実験を行った. その結果, 以前の加熱実験における結晶核生成温度で, 顕著な構造変化が起こることを見出した. さらに蒸発やおよび粒子の合体が活発に起こる温度を従来の実験と比べて格段に精密に決定した. その結果, 結晶化温度付近で蒸発が活発に起こる 理論的研究においては, 主計列星の周りのデブリ円盤における集積帯の形成に関する昨年度の数値シミュレーションをもとに, より一般的に適用可能な解析的理論を構築した論文が専門紙で出版された. さらに研究を拡げ, 現在の太陽系や残骸円盤にけるダストの観測と結びつける研究を展開した. 前者の結果は専門紙に投稿し, その論文は現在印刷中である.
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