従来の研究では、電気的に非中性である効果が議論されて来なかったことに注意し、本研究では、電気的に非中性な磁気中性面の構造とそこに於ける粒子加速機構を明らかにすることを目的とする。この効果の研究によって従来の観測と理論の矛盾(σ問題)を解決することを目指す。より具体的には、(1)電気力が卓越した磁気中性面(あるいはその列)の構造および散逸過程を解明する。(2)電気的に優勢な磁気中性面と衝撃波との相互作用を調べ、衝撃波の粒子加速について新しいパラメータ領域、つまり静電場を持つ領域、を探査する。 (1)については解析のための粒子シミュレーションコード(Particle-In-Cell)を開発した(円柱座標コードを新規開発した。現在、さまざまな状況についてテスト計算を実施している。また、専用計算機GRAPEを用いた計算では磁場の変形の参入を試み初期の結果を得た。(以上、学会発表、論文1件出版、一件準備中)解析的な研究も試みているが基礎方程式をどこにおくかについて結論を見るにいたっていない。(2)については衝撃波後方のシンクロトロン放射の偏光を計算し、磁気散逸の兆候をとらえた。(論文発表1件)散逸を含む衝撃波後方の流れの研究については定式化に着手した。
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