研究課題/領域番号 |
19540236
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
花輪 知幸 千葉大学, 先進科学センター, 教授 (50172953)
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研究分担者 |
水田 晃 千葉大学, 先進科学センター, 特任教員 (90402817)
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 准教授 (60308004)
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キーワード | 理論天文学 / 超新星爆発 / 磁気流体 / 数値シミュレーション / ジェット |
研究概要 |
親星が自転に対して傾いた磁場をもつII型超新星爆発の3次元数値シミュレーションを学術雑誌に発表するとともに、国際会議で発表した。この分野では初の3次元シミュレーションにより、回転軸方向に磁気流体ジェットが放出されることや、不安定な構造の磁気反転層が形成されることを示した。またこれに関連し、磁気流体力学シミュレーションでの衝撃波の計算法に関する技術論文も学術雑誌に発表した。さらに高空間分解能のシミュレーションを行うため、シミュレーションコードの開発を行った。空間分解能を上げるのは、磁気回転不安定や対流不安定による短波長の乱れた流れを追跡するためである。これらの乱流は、ダイナモ効果や熱輸送により、超新星爆発に影響を与える可能性が指摘されている。空間分解能を上げると計算時間がかかるので、高速な並列型スーパーコンピュータで実行可能な形にコードを改訂した。また高密度ガスの状態方程式についても、Shenらのより現実的な状態方程式を採用するように書き換えている。まだコード開発の段階であるが、64CPUの並列計算機を使い、実効的な空間分解能を60%改善させた計算ができるようになった。また従来のコードより堅固で、長時間進化のシミュレーションも可能になったことも確認した。これはSASIとして知られる定在衝撃波の不安定性も研究対象にできることを意味する。利用できる計算機CPUを8倍ほど増やせる見込みなので、従来に比べ1次元方向で150%、体積や質量では10倍ほど高い空間分解能を達成できると予想している。
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