赤外線天文衛星あかりが行った中間赤外域の波長9マイクロメートル帯と18マイクロメートル帯における全天サーベイデータから拡散放射マップの作成を行うためのデータ処理ソフトウェアを開発し、試験的ではあるが、全天のデータ処理を行った。データの較正手順にはさらなる改良が必要ではあるものの、本年度の処理によってほぼ正しい値に近い全天のデータが得られた。この処理パイプラインの出力から50万個以上の点光源を抽出し、衛星の姿勢系のデータや既存の天体カタログとつき合せることで衛星の姿勢を3秒角程度の誤差で決定することができるようになった。これにより、拡散放射マップの位置精度も3秒角程度まセ決めることができるようになった。また、この処理済みデータを参照するためのウェブインターフェースも開発した。このインターフェースを用いることで、任意の領域の拡散放射マップを効率よく作成することができるようになった。さらに、試験的に拡散放射マップを作成した白鳥座方向において、最も太陽系に近いTタウリ型星を発見した。
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