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2010 年度 実績報告書

格子QCDよるストレンジネスを含むハドロン構造の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540265
研究機関東京大学

研究代表者

佐々木 勝一  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (60332590)

キーワード量子色力学 / 格子ゲージ理論 / ハドロン物理 / 核子 / 弱い相互作用 / フレーバー対称性の破れ / ハイペロン構造
研究概要

厳密に軸性ベクトル対称性を取り扱ることのできる格子フェルミオン形式、ドメインウォールフェルミオンを用いた、現実的な2+1フレーバーの格子QCD第一原理計算により、核子の構造関数の低次のモーメントに関して研究を行った。有限体積効果に充分留意し、二つの異なるの物理サイズ(一辺が2fmと3fmに相当する大きさ)の計算結果が統計誤差の範囲で差異がないことを確認した。また、アップ・ダウンクォークの質量はπ中間子質量に換算して330MeVに相当する、これまで行なわれてきた核子の構造関数に対する格子QCD計算よりも物理点に近い計算を行なった。物理量の繰り込みに際しては、格子上での繰り込み定数に関してRI/MOMスキームによる非摂動論的な繰り込みを行い、これまで大きな不定性となっていた摂動論による1-loop計算による繰り込みに由来するの系統誤差を最大限縮小することに成功した。これら全ての試みによって、これまでで最も精度の高い理論計算を成し遂げた。そのことによって、これまでの研究で示唆されてきた、実験値との大きな差が(実験値よりも5割ほど大きな値が格子QCD計算によって計算されてきた)クォークの質量を物理点に近づけるに従って縮小傾向にあることを確認し、QCDの赤外有効理論であるカイラル摂動論における1-loop計算の予言と矛盾しない事を確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nucleon Isovector Structure Functions in (2+1)?-flavor QCD with Domain Wall Fermions2010

    • 著者名/発表者名
      T.Yamazaki, et al.
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 82 ページ: 014501

    • 査読あり
  • [学会発表] Hyperon vector cbupling f1(0) from 2+1 flavor lattice QCD2010

    • 著者名/発表者名
      S.Sasaki
    • 学会等名
      International conference on the structure of baryons (BARYONS'10)
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      20101207-20101211

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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