• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

宇宙の物質数生成機構と超対称性の破れの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540270
研究機関東京大学

研究代表者

柳田 勉  東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10125677)

キーワード宇宙の物質数 / 超対称性 / Leptogenesis / ニュートリノ / グラビティーノ
研究概要

本研究の目的は、超対称性の破れと無矛盾なLeptogenesisの模型を構築し、それにより超対称性の破れの機構に制約を与えることにある。Leptogenesisで現在の宇宙の物質数を説明するためには宇宙の温度が約10^{9}GeV以上高くてはならない。このように宇宙初期の温度が高いと、グラビチーノが大量に作られる。もし、グラビチーノの質量が100GeV-10TeVであれば、グラビチーノは元素合成の時期かその後にクォークやレプトンに崩壊する。その崩壊により元素合成で作られた軽元素が壊されてしまう。このようにして、グラビチーノの質量に強い制限が与えられる。現在のところ許されるグラビチーノの質量は、16eV以下、1GeV-10GeV,100TeV以上の3つの領域のみである。
19年度は、インフラトンの崩壊におけるグラビチーノの生成を研究した。インフラトンが超重力理論におけるアノーマリーを通じて超対称性を破るセクターのゲージー場に必ず崩壊することを発見した。この崩壊で生じたゲージー場は我々のセクターの粒子に崩壊するが、その崩壊に伴い多くのグラビチーノを生成する。そのため、超対称性を破る模型にきわめて強い制限を与える。その結果、やはり許されるグラビチーノの質量は、16eV以下、1GeV-10GeV,100TeV以上の3つの領域のみであることが分かった。上記のアノーマリーを通じたインフラトンの崩壊はケーラーポテンシャルのパラメーター間の微調整をしない限り避けることが出来ないためにきわめて重要な崩壊である。この崩壊は本研究により世界で初めて発見された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Anomaly-induced inflaton decay and gravitino-overproduction problem2008

    • 著者名/発表者名
      Motoi Endo
    • 雑誌名

      Physics Letters B658

      ページ: 236

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inflaton Decay in Supergravity2007

    • 著者名/発表者名
      Motoi Endo
    • 雑誌名

      Physical Review D76

      ページ: 83509

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Retrofitted gravity mediation without the gravitino-overproduction problem2007

    • 著者名/発表者名
      Motoi Endo
    • 雑誌名

      Physical Review D76

      ページ: 083508

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Decay of the Inflaton in No-scale Supergravity2007

    • 著者名/発表者名
      Motoi Endo
    • 雑誌名

      JCAP 0702

      ページ: 018

    • 査読あり
  • [学会発表] Dark Energy and Dark Matter2007

    • 著者名/発表者名
      T. Yanagida
    • 学会等名
      BCTP Opening Symposium
    • 発表場所
      University of California, Berkely
    • 年月日
      2007-10-19

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi