素粒子実験で高エネルギー粒子のエネルギーを測るために用いられるシンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターでは、カスケードシャワー発生時のシンチレーティングタイルの発光が、タイルの中に埋め込まれた波長変換用光ファイバーの中で波長変換され、そのままファイバーを通して外に引き出される。通常、この光は光電子増倍管で読み出されるが、本研究の目的は、この光を、光電子増倍管よりもはるかに高い量子効率を持つ「アバランシェフォトダイオード(APD)」で読み出し、これによってカロリメーターの性能向上を図ることができるか否かを明らかにすることである。このため、シンチレーティングタイル・ファイバー型カロリメーターの雛形を試作し、その受光素子としてAPDを用いた場合と光電子増倍管を用いた場合のそれぞれの場合でカロリメーターの性能評価を詳しく行い、比較検討する。
|