CHORUSの原子核乾板は面積72cm*36cm*厚み790ミクロンの物を36枚を積み重ねたモジュールを単位として、全体で32モジュール、1152枚の標的乾板である。その標的乾板の直下にファイバートテッカーと標的乾板の橋渡し役のインターフェイス乾板がある。本研究は解析反応数を上げるためにインターフェース乾板(32枚)の全面積を全角度でスキャンすることから始まる。 19年度は、名古屋大学F研にてOPERA実験に向けて開発されてきた高速スキャンシステム(SUTS)で薄型フィルムをスキャンしてきた。そこで得られるトラックは位置情報、角度情報、飛跡の濃さの情報をもっている。得られる飛跡候補の中には本物の飛跡のみではなく単なるランダムノイズ的なフェィクトラックも存在する。主なノイズ源は乾板中に存在するランダムフォグ及び環境γ線及びβ線による低エネルギーの電子による飛跡である。スキャンする面積が今までのスキャン(1mm*1mm程度)と比べ物にならないほどの大きさ(10cm*10cmでテスト)になるために確実にノイズを落とす事が重要である。現在のスキャンは乳剤の上面と下面の両方をスキャンして1時闇に25cm2の速度である。そこから吐き出される大量のデータのシグナル/ノイズの分離の解析を行ってきた。その結果ノイズの分離はまだ改良の余地はあるがインターフェース乾板のスキャン/データストレージには充分であることを確認した。本年度、本格的にインターフェイス乾板をスキャンする予定である。
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