過去の解析でニュートリノ反応点を原子核乾板中で検出した反応数は20万反応である。これは過去の解析ではファイバートラッカー(TT)で予想した場所の周辺(半径1ミリ)のみのスキャンしかできなかった等スキャンの能力に限界があった事による。その為、TTの予測精度が悪い反応であった場合、あるいは乾板の端2cm程度の領域はスキャンの効率が悪いという事で未検出のままである。実際CHORUSの原子核乾板標的には100万ニュートリノ反応が蓄積されている。これを解析しきる事が本研究の目的である。 本研究では面積を10cm*10cm程度の面積のデータ取りを1単位として全角度、全面積の飛跡情報をコンピューターのディスク上に蓄積する。TTの予測に依らない飛跡検出、及び乾板の端ギリギリまで飛跡を見つけ出す事が肝心である。 本年度はOPERAフィルムをシステマティックにスキャン・処理する事で 1. 10cm×10cmの面積のスキャンで得られる大量のデータの処理ルーチンの整備。 2. 大面積で得られる飛跡集団のアライメントソフトウエアーの整備。 を系統的に行った。この結果、乾板の端の数mmのところまで乾板の中心部分と比べ飛跡の検出が遜色なく出来る事を示した。 またCSで見つかった全飛跡情報をTTの情報中から検索してその飛跡がどのイベント由来の飛跡であるかの検索ルーチンを構築した。
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