• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

ガンマ線バースト現象の統一理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19540283
研究機関京都大学

研究代表者

中村 卓史  京都大学, 理学研究科, 教授 (80155837)

キーワードガンマ線 / バースト / 超新星爆発 / ブラックホール / 統一理論 / 宇宙論
研究概要

ガンマ線バースト(以後GRBと略記)では、スペクトルはBand関数というBroken Power Lawが良く成り立っている。この非熱的な放射のピークエネルギーEpと1秒をbinに採った光度Lpに米徳関係式(Lp∝Ep^2)が成立することが、知られている。この関係式の理論的な説明はついていないが、GRBの統一理論はこの関係式を自然に満たす必要がある。しかし、米徳関係式の進化効果と選択効果は調べられていなかった。そこで、2009年末までに赤方偏移の測られたGRB 200ケ中、スペクトルが精度良く決定された101を(1)明るさの異なる3つのグループと(2)赤方偏移の異なる3つのグループに分けて、それぞれのグループ内で、米徳関係式を求めた。その結果、(1)に関してはどのグループでも1σの範囲内で、同じ関係式になる。また(2)に関しては、進化効果が見えるがそれは2σレベルであることが分かった。この進化効果の原因は、Lpを決める時に観測者系で1秒にしているが、実際にはGRBの静止系では赤方偏移に応じて1秒より短い時間になっているためと考えられる。というのも、一般にGRBは激しく時間変動しており、短い時間間隔を考えるほどLpが大きくなるからである。つまり、GRB静止系での時間を一定にして、Lpを測るなら、進化効果がないと予想できた。そこで、次にLpを決めるのにGRB静止系を用いるだけでなくEpが10%の精度で決まっているプラチナデータに絞ると、GRBの数は減るがreduced xが1.3の精度の良い米徳関係式を求めることに成功した。今後はこの精度良い関係式を満たすGRBの統一理論を作るのが課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Probing Early Cosmic Magnetic Fields through Pair Echos from2011

    • 著者名/発表者名
      Takahashi, Nakamura, et al.
    • 雑誌名

      Mon.Not.Roy.Astron.Soc.

      巻: 410 ページ: 2741-2748

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The improved Ep-TL-Lp diagram and a robust regression method2011

    • 著者名/発表者名
      Tsutsui, Nakamura, et al.
    • 雑誌名

      Publ.Astron.Soc.Japan

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Possible Origins of Dispersion of the Peak Energy-Brightness2010

    • 著者名/発表者名
      Yonetoku, Nakamura, et al.
    • 雑誌名

      Publ.Astron.Soc.Japan

      巻: 62 ページ: 1495-1507

    • 査読あり
  • [学会発表] Spectral Epeak-Luminosity -Origin of Dispersion and its Improvement2010

    • 著者名/発表者名
      Yonetoku, Nakamura, et al.
    • 学会等名
      Deciphering the Ancient Universe with GRB
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      2010-04-19

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi