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2008 年度 実績報告書

重力理論の拡張に対する制限の理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540285
研究機関京都大学

研究代表者

田中 貴浩  京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (40281117)

キーワード一般相対論 / ブレーン / ゴースト / 重力波 / ブラックホール
研究概要

「RSモデルにおけるブレーンに局在した静的なブラックホール解の存在の有無」に関する研究を進めた。我々が最終的に明らかにしたいことはブレーンに局在したブラックホールの古典的蒸発仮説が正しいか否かである。つまり、静的で安定なブラックホール解が存在するのかどうかという問題である。様々な状況証拠から、RSモデルを少し一般化しブレーンの張力の値をずらしたモデルKarch-Randallモデルにおいては、実に豊かな種類の安定あるいは不安定なブラックホール解の系列が存在しているのではないかという予想が立っている。この拡張された仮説に対して、4次元的なCFT補正入りのブラックホール解の構築を、大学院生の樫山和己君などと共同でおこなった。その結果、安定なブラックホール解の系列が確かに存在し、その系列がCFTで構成された星の解の系列につながっていることが明らかになった。これは、5次元の描像において、バルクに浮かんだブラックホール解が最初ブレーンと接触せずに存在していたが、そのサイズが大きくなるとブレーンに接触するという事実とぴたりと整合している。さらに、5次元での時間反転対称な初期データの構成を大学院生の棚橋典大君などと共同で進めた。この研究において、はじめて漸近de Sitterのブレーン解に対して保存する質量の定義と計算法を与えた。この質量を用いて、我々の得た初期データのうちで、ブラックホールエントロピーを一定にした場合に最小の質量を与える初期データを調べると、エントロピーの小さい場合にはバルクに浮かんだブラックホールに対応する初期データが選ばれ、エントロピーが大きくなるとブレーンに接触したブラックホールに対応する初期データが選ばれるということがわかった。これらの結果は、AdS/CFT対応を適応した際に予想される予言と整合的な結果となっている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Particle production in models with helicity-0 graviton ghost in de Sitter spacetime2009

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Izumi, Takahiro Tanaka
    • 雑誌名

      Prog. Theor. Phys 121

      ページ: 427-436

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Efficient diagrammatic computation method for higher order correlation functions of local type primordial curvature perturbations2009

    • 著者名/発表者名
      Shuichiro Yokoyama, Teruaki Suyama, Takahiro Tanaka
    • 雑誌名

      JCAP 0902

      ページ: 012-1-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Primordial perturbations and non-Gaussianities in DBI and general multi-field inflation2008

    • 著者名/発表者名
      David Langlois, Sebastien Renaux-Petel, Daniele A. Steer, Takahiro Tanaka
    • 雑誌名

      Phys. Rev. D 78

      ページ: 063523-1-15

    • 査読あり
  • [学会発表] ブレーン重力2008

    • 著者名/発表者名
      田中貴浩
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-24
  • [図書] 天体物理学の基礎II2008

    • 著者名/発表者名
      牧野淳一郎, 前田恵一, 田中貴浩, 星野真弘, 服部誠(観山正見, 野本憲一, 二間瀬敏史編)
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      日本評論社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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