研究課題/領域番号 |
19540290
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白井 敏之 京都大学, 化学研究所, 助教 (50252507)
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研究分担者 |
野田 章 京都大学, 化学研究所, 教授 (20114605)
頓宮 拓 京都大学, 化学研究所, 技術職員 (10397523)
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キーワード | 電子ビーム冷却 / ビーム相転移 / Ordering相転移 / 分子動力学シミュレーション / 飛跡検出器 |
研究概要 |
本研究の目的は、加速器中のイオンビームに対し、電子ビーム冷却をおこなうことにより、ビーム中のイオンの相対運動エネルギーを、粒子間クーロン相互作用エネルギーよりも低下させて、ビーム構造がひものように揃うビーム相転移(Ordering相転移)をおこさせ、イオンビームの質を飛躍的に改善しようとするものである。 平成19年度の重要な目標は、京都大学化学研究所において、世界で初めて観測された陽子ビームのOrdering相転移を精密に計測し、分子動力学シミュレーションとの比較検証をおこなうことであった。その結果の詳細は、白井ならびにA.Smirnov(JINR)が執筆した論文に掲載されているが、実験、シミュレーションの両方において、陽子数が2000個から4000個のときに、運動量広がりにおいて、相転移が起きることが確認された。この結果から、実験とシミュレーションは、転移点に関して、よく一致することもがわかった。 平成19年度のもうひとつの重要なテーマであった、1μm程度の分解能をもったビームサイズモニター開発においては、さまざまなビームモニター方式の比較検討をおこなった結果、加速器からイオンビームを取り出して、CR39などの飛跡検出器によって計測することにより、5μm程度の位置分解能を得られることがわかった。最終目標の1μmには及ばないが、来年度の目標であるビームサイズの相転移を確認するには、十分な性能をもっていると考えている。
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