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2008 年度 実績報告書

電子ビーム冷却による相転移現象を利用した極小エミッタンスイオンビームの実現

研究課題

研究課題/領域番号 19540290
研究機関独立行政法人放射線医学総合研究所

研究代表者

白井 敏之  独立行政法人放射線医学総合研究所, 重粒子医科学センター, チームリーダー (50252507)

キーワード加速器 / 電子ビーム冷却 / ビーム相転移
研究概要

今年度は、主として2つの実験的研究をおこなった。ひとつは、JINRのSmirnov博士との共同研究により、京都大学のイオン冷却リングS-LSRをもちいて、相転移をおこす粒子数を増やす研究をおこなった。電子ビーム冷却においては、その冷却力の弱さから、相転移をおこす粒子数が数千個に制限されることが、実験的にも、分子動力学シミュレーションによっても、明らかとなっている。それに対し、ビーム分布を横方向に制御することにより、相転移点での粒子数を制御する実験をおこなった。その結果、直接的に粒子数を増やすことはできなかったものの、相転移温度周辺での挙動の変化が観測され、ビーム相転移に関する理解を深めることができた。この結果の詳細については、論文発表を予定している。
今年度のもう1つの研究は、ビーム取出しである。結晶化したビームをマイクロビームなどとして利用するためには、キッカー電磁石をもちいて、速い取出しをおこなう必要がある。こうした冷却ビームの速い取出しに関する技術開発を、イオン冷却リングS-LSRと、放射線医学総合研究所のイオンシンクロトロンHIMACにおいて、おこなった。その結果、シミュレーションから予想されるとおりの短時間で、冷却ビームを取り出すことに成功した。この結果は、論文および学会発表において、公表している。
これらの成果をもとに、今後は相転移したイオンビームの速い取り出しに取り組んでいく予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Formation and fast extraction of a very short-bunched proton beam for the investigation of free radicals2008

    • 著者名/発表者名
      T. Fujimoto, S. Iwata, S. Shibuya, K. Noda, T. Shirai, 他
    • 雑誌名

      Nuclear Instrument and Methods in Physics Research A. 588

      ページ: 330-335

    • 査読あり
  • [学会発表] HIMACにおける電子ビーム冷却されたイオンビームの速い取り出し2008

    • 著者名/発表者名
      白井敏之
    • 学会等名
      日本加速器学会 年会
    • 発表場所
      東広島市中央公民館
    • 年月日
      2008-08-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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