ラージN還元とは、ゲージ理論のプラナー極限はそれを次元還元して得られる行列模型で記述できることをいう。本研究では、まずラージN還元を曲がった空間上のゲージ理論の場合に拡張した。これを用いて、N=4超対称ヤン・ミルズ理論の非摂動的定式化を構築し、AdS/CFT対応の検証を行った。このラージN還元の拡張は、超弦理論の非摂動的定式化を与えると考えられているIIB行列模型の今後の研究において大きな役割を果たすと期待される。さらに、IIB行列模型において膨張する3+1次元の時空がダイナミカルに生成されることを発見した。これは、我々がなぜ3+1次元の時空に住んでいるのか、宇宙はどのように始まったのか、という問題に対する答えを与えると期待される。
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