研究課題/領域番号 |
19540296
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永井 泰樹 大阪大学, 核物理研究センター, 協同研究員 (80028240)
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研究分担者 |
嶋 達志 大阪大学, 核物理研究センター, 助教 (10222035)
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キーワード | s過程元素合成 / 弱s過程模型 / 速中性子捕獲 / 超金属欠乏星 / 初期宇宙 / s-過程終端核 / r-過程元素合成 / keV中性子 |
研究概要 |
金属欠乏星でのs-過程元素合成に重要な影響を与える^<18>OのkeV中性子捕獲反応断面積の実験結果の解析を進めた。その結果、終核^<19>Oの第一励起状態への部分捕獲断面積が理論予測値の180倍もある事を明らかにした。そしてその原因は^<18>O基底状態の2粒子4孔状態(全状態の10%未満の成分)が捕獲反応に大きく寄与している事を示した。即ち、p-波中性子捕獲後に1粒子4孔状態の3/2^-中間状態を励起しこの状態から5/2^+の3粒子状態へ強くE1遷移する。これは不連続ガンマ線観測を通しドアウエイ状態を経由して中性子捕獲反応が進行する事を明確に見た初めての例である。この結果は元素合成の計算に標的核及び終核の構造そしてドアウエイ状態の存在が大きく影響する事を示しており今後の研究に大きな影響を持つ。超金属欠乏星でPbの観測がなされる様になった。鉛はs-過程元素合成で終端核に相当する一方r-過程による元素合成成分も含む。s-過程の寄与を調べるべく^<207>Pb及び^<208>Pbの中性子捕獲断面積をkeV中性子を即発ガンマ線検出法により測定した。
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