研究概要 |
本研究で取り扱っているEBCCD(Electron Bombarded EBCCD,電子打ち込み式CCD)は、電子収束により大口径化(光電面直径10cm)を実現したもので、これまでここまで大型のものの製作はなかった。そこで前年度は、その基本性能を測定したわけだが、そのうち解像度についての測定を、ラダーパターンチャートに青色LEDを照射し、明暗部の輝度の比を見ることによって、より定量的に求めた。その結果、解像度250μmが得られたが、これは使用しているCCDの画素サイズ70μmから考えると妥当な結果であると言える。解像度は、蛍光板に貼り付けた銅箔パターンに放射線源からのX線を照射するという方法でも測定され、同様の結果(解像度250μm)が得られた。 また、EBCCDは、旧来のIIT(Image Intensifier Tube)とは異なり、蛍光体出力面やMCP(Micro Channel Plate)を使用していないため、それらによる増倍のゆらぎがなく、したがって、入射光量に対する出力の線形性は、IITに比べて良くなっていることが期待される。昨年度は、EBCCDについてはこの線形性は測定したが、IITとの比較がなされていなかった。平成20年度の研究では、この比較を行った結果、EBCCDでは確かに線形性が改善されていることが測定された。 以上の結果は、このEBCCDが素粒子実験において、非常に有望な光検出器であることを示していると言える。
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