研究課題/領域番号 |
19540300
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
硲 隆太 広島大学, 大学院・工学研究科, 講師 (00379299)
|
研究分担者 |
岸本 忠史 大阪大学, 理学研究科, 教授 (90134808)
佐久間 洋一 核融合科学研究所, 安全管理センター, 准教授 (30133119)
谷水 雅治 独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, 研究員 (20373459)
渡慶次 学 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60311437)
|
キーワード | 実験核物理 / 素粒子実験 / 化学工学 / 同位体分離 / マイクロ・ナノデバイス |
研究概要 |
クラウンエーテルを用いた液液抽出法でイオンの相互分離だけでなく同位体分離にも応用出来ることを示し、最近、クラウンエーテル樹脂による方法でも、我々の見出した質量シフト効果の方が核電荷分布によるフィールドシフト効果より分離に対する寄与が大きく^<48>Ca濃縮に適用可能であることが確認されたが、分離係数が本液液抽出法に対し約11桁程度及び樹脂への吸着量が小さい等の問題点が判明し、反応率及び反応速度で利点のあり、かつ安価で下駄箱サイズの小スペースの実験室での精製を可能にする2層流マイクロリアクター装置の開発がより期待されている。 合わせて、液液抽出法によるカルシウム濃度の分配係数が実験条件に依存し、当初予期していた10対1と異なるケースも示唆され、実験条件への依存性及びより正確な濃度測定により最適な分配係数を求めることが、後の同位体比測定にも重要であるため、新たにインキュベーター、カルシウム濃度測定を実験に組み込むこととし,予備実験をスタートした。カルシウムイオンメーター(ppm以上の検出感度)による予備測定と合わせ、原子発光(吸光)分析装置によるカルシウム濃度測定(業者委託測定,ppm以下の検出感度)を行い、現在、最適条件の確認・安定した長期運転実現のための改良(HEPAフィルターによる>0.3μm塵除去クリーンベンチ、及びポンプ・チップ間液管圧力センサーを2層共に導入)も並行して行い、大量濃縮実現に向けたマイクロチップによる多段階液液抽出の2液層流システムの安定送液のテストも開始した。 翌、継続20年度に於いて、正確な濃度測定をイオンメーター、ICP原子発光(吸光)法等種々の方法によるカルシウム濃度の比較検討を行い、最も検出感度の良いICP原子発光分析に於いても、業者により20〜30%の違いが見られ、原因として本クラウンクロロホルム有機溶媒の混入濃度の影響を確認するため既知量の標準溶液を添加して回収率補正を行い、かつ保存容器内壁への元素吸着の影響を抑えるため試料に酸を添加する等の適切な処理を行う必要があることを確認し、これまで10%程度の精度であったカルシウム濃度の、数%での正確な測定が可能となった。
|