研究課題/領域番号 |
19540306
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
ベンツ ヴォルフガング 東海大学, 理学部, 教授 (20168769)
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研究分担者 |
矢崎 紘一 独立行政法人理化学研究所, 延興放射線研究室, 客員主管研究員 (60012382)
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キーワード | ハドロン物理学 / パートン分布 / 構造関数 / 深非弾性散乱 / 媒質効果 / ニュートリノ散乱 / パリティー保存の破れ / 有効クォーク模型 |
研究概要 |
平成20年度の研究実績は次の通りである: 1)原子核・ニュートリノ深非弾性散乱におけるNuTeV anomalyの解明: 鉄を標的とした場合、ニュートリノ深非弾性散乱の実験データから導かれたWeinberg角度の値が標準模型の値と異なっている事実がNuTeV anomalyとして知られているが、その解析が単独の核子中のパートン分布関数に基づいている。本年度の研究で、我々が媒質効果および中性子過剩の影響を取り入れた原子核中のパートン分布関数を求め、ニュートリノ散乱データを解析した。その結果、媒質効果のアイソスピン依存性を取り入れた場合は実験データと標準模型におけるWeinberg角度の値と矛盾しないことが分った。その解析およびNuTeV anomalyの解明についての論文をPhysical Review Lettersへ投稿した。 2)パリティー保存を破る深非弾性散乱におけるEMC効果の予言: 原子核・電子深非弾性散乱課程において、光子とWボゾン交換の干渉効果がパリティー保存の破れを引き起こし、非偏極原子核に対して電子のスピン非対称性(single spin asymmetry)が生じる。本年度の研究で我々が媒質効果および中性子過剰の効果を取り入れたパートン分布関数を使って、電子のスピン非対称性およびそれに伴う原子核の構造関数を理論計算で予言した。中性子過剩が大きい原子核(鉛など)の場合はパリティー保存の破れの効果が大きくなり、実験で観測可能であることが分った。その解析の結果をPhysical Review Lettersへ投稿する予定である。
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