研究課題/領域番号 |
19540307
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
河内 明子 東海大学, 理学部, 准教授 (70332591)
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研究分担者 |
内藤 統也 山梨学院大学, 経営情報学部, 准教授 (50319084)
岡 朋治 東京大学, 理学系研究科, 助教 (10291056)
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キーワード | 高エネルギーガンマ線 / 分子雲観測 / 超新星残骸 |
研究概要 |
1) 未同定高エネルギー天体TeVJ2032+4130を観測対象に、野辺山45m電波望遠鏡を用いて分子雲観測を行った。高エネルギー放射領域を中心に周辺を12CD(J=1-0)輝線で探索した結果、近傍・小型の分子雲を発見した。この分子雲を観測パラメーターからパルサー等粒子加速機構が周囲に存在するならば、衝突ターゲットとして高エネルギー放射を起こしうることが分かった。この結果については野辺山観測所の共同利用研究会で発表され、現在、論文として準備中である。Koyama 2) 超新星残骸RCW86の高エネルギー放射機構の検討、及び、分子雲観測の準備研究を行った。シェル型リムを持つこの超新星残骸では、リム中の非熱的/熱的X線放射分布が異なった構造を持つ。超新星爆発の膨張波と周辺物質の相互作用が、そのような局所的な構造の原因であるとの仮説を元に、リム周辺の分子雲観測申請を行った。この内、ぶオーストリアのMOPRA電波望遠鏡での観測が採択され、来年度に予定されている。また、高温ガスの分布計測を目的としたASTE望遠鏡の観測提案も申請され、現在審査中である。 3) パルサーと大型星(スペクトル型はBe)の連星系、PSR1259-63/SS2883に対し、大型星ディスク構造のシミュレーションを基礎にした新しいモデルの開発に参加した。現在までの観測データとの擦り合わせ、検討作業を主に担当し、論文準備に携わっている。連星周期移相で、大型星のディスクがどのように変動するかが、このモデルの鍵になっているが、光学観測に依って変動を直接に測定するプロジェクトが進んでおり、ESOのVLT望遠鏡に観測提案申請を準備している。来年度はパイロット的にディスクの偏光観測が行われる予定である。 4)オーストラリアの高エネルギーガンマ線観測施設、CANGAROOに設置した小型の光学望遠鏡、CARROTSを整備し、強度変動天体の同時観測を目的とした稼働準備を進めた。
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