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2008 年度 実績報告書

ブラックホール熱力学と量子異常

研究課題

研究課題/領域番号 19540316
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

磯 暁  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (20242092)

キーワード超弦理論 / ブラックホール / 行列模型 / 量子異常 / M2ブレイン
研究概要

この研究の主張な目的は、ブラックホールの熱力学、特にホーキング輻射やブラックホールのエントロピーなどの性質を、超弦理論や行列模型といったミクロな観点、および量子異常などのマクロな観点の双方から理解して、時空の微視的構造と巨視的構造を理解する事にある。平成19年度までの研究で、ブラックホールのホライズン近傍の振る舞いを、重力アノマリーとその拡張された普遍的性質で議論できることを明らかにしたが、平成20年度は、この考え方をさらに押し進め、よりミクロな立場からの解析を試みた。また、これまで静的なブラックホール解のみで、ホーキング輻射の解析を行ってきたが、時間とともに変化するブラックホール時空に対してもホライズン近傍の解析を行い、ホーキング輻射の普遍性を確かめる事ができた。このような解析によると、時間に依存するブラックホールからの輻射はプランク分布に従う熱輻射をすることとなり、情報喪失問題はやはりパラドックスのままで解決することが困難なことが確認された。これはミクロな視点なしにはブラックホールの問題を解決することが困難なことを示しており、超弦理論や行列模型などの性質を使ってブラックホールを見直すことが必要である。そこで、超弦理論のより非摂動的な定式化をめざし、M理論の構築についても研究を行った。特に、昨年大きな発展があったM2ブレインの理論を詳しく調べ、ABJM理論とよばれる有効理論とBagger Lambertたちが提案した模型の関係を明らかにし、そこからM2ブレインの理論にある一般化された共形不変性についての考察を行った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Janus field theories from multiple M2 branes2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Honma, et. al
    • 雑誌名

      Physical Review D78

      ページ: 025027

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Scaling limit of N=6 superconformal Chern-Simons theories2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Honma, et al
    • 雑誌名

      Physical Review D78

      ページ: 105011

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Generalized conformal Symmetry and recovery Of SO(8) in multiple M2 and D2 theories2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Honma, et al
    • 雑誌名

      Nuclear Physics B816

      ページ: 256-277

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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