この研究では、15cm×2cm×2cm程度のファイバー形状のエアロジェルを製作・加工し、それをチェレンコフ輻射体として用いることによって、粒子識別能力をもち、且つ飛跡検出可能な新しい検出器の開発を実施する。 本年度は、エアロジェルのファイバー形状機械加工の試作を実施し、機械のパラメータ調整を実施することで、透明度などを劣化させることなく、所定の形に精度良く囲うできることが判明した。また、光検出器については、特に、マルチアノード型ハイブリッド光検出器のテストを行った。シングルフォトンレベルの光に対して、バックグランドと比較してきれいな信号を検出することが確認できた。更に、各チャンネルのレスポンスの一様性なども満足のいく結果を得る事ができた。更に、磁場中での使用を目的とし、この光検出器を1.5テスラの磁場に置き、シングルフォトンレベルの入射光についての反応試験を実施した。結果として、この光検出器は磁場中でも十分動作する事が判明した。 以上のことをもとに、来年度は総合試験として、エアロジェルと光検出器を組み合わせ、総合試験に向けた準備を実施する予定である。
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