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2009 年度 実績報告書

エアロジェルを用いた新しいファイバー検出器の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19540317
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

足立 一郎  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (00249898)

研究分担者 西田 昌平  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (20370075)
キーワードエアロジェル / 光検出
研究概要

この研究では、15cm×2cm×2cm程度のファイバー形状のエアロジェルを製作・加工し、それをチェレンコフ輻射体として用いることによって、粒子識別能力をもち、且つ飛跡検出可能な新しい検出器の開発を実施する。
本年度は、今までの開発に基づき総合試験として、プロトタイプの製作とそのテストを行った。チェレンコフ輻射体であるエアロジェルの製作については、透明度向上をめざし、波長400nmで透過長40mm以上というサンプルを得る事に成功した。特に、屈折率1.05以上の領域にて光学的性質の改善を行うために、新たな製造手法を導入した。この方法では、エアロジェルを超臨界乾燥以前に非常に微小な割合で自然乾燥させ、密度を人為的に増加させ、低い屈折率のサンプルを高屈折率へ変化させるものである。この手法によって、高透明度を保持したまま、1.1程度までの任意の高屈折率のサンプル製造が可能であることが判明した。この方法を用いても、エアロジェルの疎水性は保たれるため、ファイバー形状へのウオータージェット装置による機械加工が可能である。
また、光検出器では、ハイブリッド型マルチアノード光検出器の特性試験結果から、ゲイン50000以上を確認した。従って、シングルフォトンでもS/Nが16以上で感度良く検知することを確認した。また、この光検出器の磁場中での特性試験も実施した。磁場中では、反挑電子が磁場の向きのならうため、クロストークの減少が見られた。また、ゲインなどの変化はないことを確認した。
これらを用いて、プロトタイプを製作し、KEKの富士テストビームラインにて、チェレンコフ光の検出試験及び総合性能試験を行い、所定の光量が得られることが判明した。これらの結果から、本研究の実験的検証に成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Study of an HAPD with 144 channels for the Aerogel RICH of the Belle upgrade2009

    • 著者名/発表者名
      Shohei Nishida, et al.
    • 雑誌名

      Nuclear Instruments & Methods in Physics Research 610

      ページ: 65-67

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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