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2008 年度 実績報告書

アトラス実験後段トリガーにおける事象選別の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540321
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

長野 邦浩  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (90391705)

キーワード素粒子実験 / 新粒子探索 / 標準模型 / トリガー / 国際協力 / LHC / アトラス実験
研究概要

世界最高エネルギーでの陽子・陽子衝突加速器LHCを用いたATLAS実験では、人類未踏のTeV領域で新粒子を直接に探索することができる。この際、膨大なバックグラウンド事象の中から、新現象を含む重要な事象を逃すことなくオンラインで高速判定してデータ収集することが必須であり、難関の実験技術である。本研究ではATLAS実験における後段トリガーの開発を行い、オンラインでの事象選択に応用することを目的としている。
本年度は、ミュー粒子を選択するトリガーのうち、現行では運動量測定精度があまり良くない、検出器の中央から外側寄りのエンドキャップ部について、以下の2つのアイデアから改良を進めた。
一つは、最内層の検出器を積極的に用い、運動量測定が反応バーテックスの位置に依存することを抑えるアルゴリズムを開発した。この成果については大学院生の修士論文として纏められ、日本物理学会でも報告した。
もう一つは、カルマンフィルター原理を用いて複雑な磁場も正しく考慮に入れて飛跡の再構成を行うトリガーの新規開発を進めた。このような本格的な飛跡再構成を後段トリガーのうち最初の段階で導入するのはATLAS実験では初めての試みである。技術的な開発事項を完成させ動作させることに成功し、細部は未調整ながら現行と同等もしくはやや良い性能を得た。今後の詳細な調整と較正により飛躍的な改良が期待できると考えている。この成果については物理学会でも報告した。
また、2009年のLHCの本格稼働の際に必須の、取得されたデータを直ちに解析してトリガーが正しく動作しているかをモニターしたり、トリガー論理に必要な関数やパラメータの較正を行うプログラムを開発した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] ATLAS実験におけるレベル2ミューオントリガーでの新しい運動量測定法の開発2009

    • 著者名/発表者名
      道前武
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] ATLASレベル2ミューオントリガーアルゴリズムへのカルマンフィルターの組み込み2009

    • 著者名/発表者名
      大町千尋
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] アトラス実験におけるレベル2ミューオントリガーの性能評価2008

    • 著者名/発表者名
      道前武
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      山形大学
    • 年月日
      2008-09-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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