本研究ではレプトン粒子である電子とミュー粒子の異常磁気能率に関する理論的な研究を行う。 レプトン粒子の異常磁気能率はそのほとんどの寄与を量子電気力学の摂動計算よって説明できる。現在の実験の精度と同程度の精度で理論値を決定するためには、電子もミュー粒子の場合も、摂動の10次の寄与を求める必要がある。10次の計算を完了することによって、レプトン異常磁気能率における、より高い精度での理論値と実験値の比較を行う。これによって量子電気力学理論、さらに素粒子の標準模型の検証を行い、新しい物理現象への窓口の探索を可能とする。 また、理論値と実験値から、微細構造定数やレプトンの質量比などの基礎物理定数の決定へ貢献する。
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