研究課題/領域番号 |
19540331
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村田 好正 東京大学, 生産技術研究所, 名誉教授 (10080467)
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研究分担者 |
岡野 達雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60011219)
福谷 克之 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10228900)
松本 益明 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (40251459)
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キーワード | 貴金属単原子層結晶 / 単結晶酸化膜 / 表面・界面物性 / 物件実験 / 金属物性 / 複合材料・物性 |
研究概要 |
金属単結晶加熱機構および研究目的の貴金属単原子層結晶の基板である高品質単結晶酸化膜の作製段階で、光電子分光装置が持つ試料搬送機構を保存して、試料作製室、反応室へ試料搬送をすることにしているが、そこで予期しない困難に直面した。この試料搬送機構では試料加熱に電子線照射法を用いねばならないが、単結晶と電子線が照射されて直接加熱される結晶保持部との熱接触が問題になり、1000℃以上の加熱ができなかった。一方、ルテニウム単結晶の清浄化には試料を1500℃まで加熱する必要があり、熱接触をよくする改良に手間取ったが解決した。そこでルテニウム単結晶ロッドを購入し、(0001)面を切り出して研磨した。さらに試料作製室で良質のアルミニウム蒸着膜ができるようにした。またこの搬送機構を用いると温度測定は光放射温度計よらざるをえない。その場合通常は600℃以上の温度の測定が可能であるが、酸化ケイ素単結晶膜を作製する場合、シリコン蒸着膜を350℃に保ち、多くの水酸基がある初期酸化をする。それに効果的な赤外線放射温度計を購入し、赤外線用の窓を設置し、放射率の測定などをして、反応下で200〜600℃の温度測定を可能にした。このようにして高品質単結晶酸化膜が作製できたが、貴金属単原子層結晶を得るには至っていない。それにはニッケル(111)表面上の酸化ケイ素単結晶の場合、界面にニッケルシリサイドが生成していて、貴金属単原子層結晶の作製を妨げていることがわかったからである。そこで超高真空槽内でのケイ素薄膜の酸水素化反応に代わって、湿式法により水酸化ケイ素膜を作って酸化ケイ素単結晶膜にする試みをしようと、装置の改造を行った。
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