研究概要 |
1.金属ナノ粒子を透明ホリマーに分散した薄膜からなる多層構造により,金属ナノ粒子の空間分布を任意に制御した金属ナノ粒子コンポジット構造を作製するために必要となる以下の基礎技術を確立した。(1)直径2nmの単分散銀ナノ粒子を化学的に合成する方法(2)膜厚が最小で20nmの平坦なポリマー薄膜を基板上に多層に堆積する方法。(3)既存のポリマー薄膜上に,既存の薄膜を変質、損傷させることなくポリマー薄膜を堆積する方法。(4)分布密度をコントロールして銀ナノ粒子を均一に分散したポリマー薄膜の膜厚をコントロールして基板上に堆積する方法。 ここで確立した作製技術と得られた製膜条件に基づき,空間制御構造を有するナノコンポジットの第1段階として,銀ナノ粒子を非腺形光学媒質とする1次元フォトニック結晶構造を設計・製作した。構造および光学特性の評価をおこない,設計した構造を有し,光学応答を示す構造体であることを確認した。 2.3次非線形感受率の実部と虚部を独立に評価するため,Z-スキャン法の測定システムを組み立てた,波長可変ナノ秒レーザーを光源に用い,可視光の波長領域で3次非線形感受率の波長依存性を評価することが可能な仕様とした。 3.上記1.で試作した1次元フォトニック結晶構造の3次非線形光学特性を上記2.で開発した装置を用いて評価した。銀ナノ粒子の表面プラズモン共鳴に起因する光学非線形性が,フォトニックバンドのバンド端効果により増強されることを見出した。
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