研究課題/領域番号 |
19540348
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
尾崎 徹 広島工業大学, 工学部, 教授 (90177212)
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研究分担者 |
細川 伸也 広島工業大学, 工学部, 准教授 (30183601)
山口 博隆 産業総合研究所, エレクトロニクス部門, 主任研究員 (80358233)
近浦 吉則 九州工業大学, 工学研究科, 教授 (40016168)
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キーワード | チタン酸ストロンチウム / 伝導電子 / 構造相転移 / 自発歪 / X線トポグラフィー / ホール係数 |
研究概要 |
本年度は、電子伝導性を示す(Sr_<l-χ>La_χ)TiO_3、Sr(Ti_<1-χ>Nb_χ)O_3とSrTiO_3<(1-y)>のΧ線トポグラフィーの再実験とホール係数の測定を行い、構造相転移温度T_a、自発歪c/a-1の温度変化と伝導電子の密度を調べた。また伝導性を示さない(Sr_<l-χ>Ca_χ)TiO_3の、Χ線トポグラフィーも行い、T_aとc/a-1の温度変化を調べた。Χ線トポグラフィーはSPring-8で行い、ホール係数の測定は産総研で行った。その結果、(Sr_<l-χ>La_χ)TiO_3とSr(Ti_<l-χ>Nb_χ)O_3では、置換率χ増加に伴って伝導電子密度が増加し、T_aとc/a-1の4Kでの飽和値がともに増加することがわかった。特に、(Sr_<0.95>La_<0.05>)TiO_3ではT_aとc/a-1の飽和値がともにSrTiO_3の2倍にもなった。これに対して,SrTiO_<3(1-χ)>では逆にTaと0/a-1の飽和値がどちらもSrTiO3より小さくなった。一方、伝導性を示さない(Sr_0.95Ca_0.05)TiO_3でもT_aとc/a-1の飽和値は大きく変化し、それらがともにSrTiO_3の2倍になることがわかった。以上のことから、SrTiO_3の構造相転移温度T_aと自発歪c/a-1の飽和値を変化させる直接的な要因は、ドープまたは還元することによって生じる結晶構造など構造物性の変化であり、伝導電子密度など電子物性の変化ではないことが明らかになった。このことを確立するために、上記物質の格子定数のχ変化と、電子状態密度の測定を継続している。
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