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2009 年度 実績報告書

最適化変分モンテカルロ法によるBCS状態とボース凝縮のクロスオーバーの研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540356
研究機関東北大学

研究代表者

横山 寿敏  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60212304)

キーワードBCS機構 / 光学格子 / ボースアインシュタイン凝縮 / クロスオーバー / 超流動 / 変分モンテカルロ法 / 凝縮エネルギー / 引力的ハバードモデル
研究概要

超低温に冷却した希薄原子気体の研究で、フェルミ原子種で起こる超流動は、粒子間の引力相互作用を運動エネルギーと比較して増大させると、その機構がBCS型からBEC型にクロスオーバーする問題が関心を集めている。これは銅酸化物超伝導体のドープ量依存性と類似性があることにも起因している。これまで、クロスオーバー領域から強相関領域において、相互作用を信頼できる方法で扱う試みはほとんど無かった。そこで、局所相関を厳密に扱える変分モンテカルロ(VMC)法を用いて、フェルミ原子気体のBCS-BECクロスオーバーの問題、特に基底状態と低エネルギー励起について計算し、これまで行われた平均場に基づく近似の結果を吟味し、BEC領域の性質を確実にすることを第一の目的とする。また、銅酸化物に対するモデルと比較してその類似性を比較する。試行関数として、多体のジャストロー型波動関数Ψ=PΦを用いる。一粒子状態Φには、主としてs波BCS状態を使う。多体ジャストロー因子Pとして、まず同一サイト相関のGutzwiller因子P_Gと隣接サイト上で↑-スピンと↓-スピンの間の束縛因子P_Q(強相関展開をした場合に重要性が解る)を導入した波動関数を、次いで電子密度が低い領域では長距離サイト間相関因子を用いて、相互作用強度u/tと電子密度nで張られるパラメーター空間で、この波動関数がどのような振る舞いをするか計算した。凝縮エネルギーΔEの他に超伝導相関関数Pや相関長ξを求めた。その結果、バンド幅程度の相関強度でΔEやPは最大値を持ち、弱相関側ではexp(-t/|U|)、強相関側では-U/tとして振る舞うことが解り、ペアリングの原動力がUからJ=t^2/|U|へと変化し、超流動の仕組みがBCS機構からBEC機構にクロスオーバーすることが確認された。更に斥力相関モデルでも類似の計算を行った。これらの成果は次年度に出版する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Competition and coexistence of antiferromagnetism and superconductivity in Hubbard model2010

    • 著者名/発表者名
      T.Watanabe, H.Yokoyama, K.Kobayashi
    • 雑誌名

      Physica C

      巻: 470 ページ: S947-S948

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antiferromagnetism and pairing symmetries in two-dimensional t-J model.2010

    • 著者名/発表者名
      T.Watanabe, H.Yokoyama, K.Kobayashi
    • 雑誌名

      Physica C

      巻: 470 ページ: S106-S108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Supercon-ductivity and antiferromagnetism in phase diagram of frustrated Hubbard model within variational study2010

    • 著者名/発表者名
      K.Kobayashi, H.Yokoyama
    • 雑誌名

      Physica C

      巻: 470 ページ: 1061-1064

    • 査読あり
  • [学会発表] ダブロン-ホロン相関によるモット転移機構の再考2010

    • 著者名/発表者名
      横山寿敏、宮川智章、小形正男
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2010-09-24

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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