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2007 年度 実績報告書

10GPa級超高圧中性子散乱による軌道-磁気秩序相関における圧力効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540384
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

長壁 豊隆  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (80354900)

キーワード高圧力 / 単結晶 / 中性子回折 / 軌道秩序 / 多極子秩序 / 磁気秩序 / 圧力媒体 / グリセリン
研究概要

本研究では、軌道秩序と磁気秩序の共存あるいは競合が重要と考えられる系に対して静水圧力を加えて軌道状態を制御し、そこに現れる磁気的応答を中性子回折法により研究する。また、この研究を通して10GPa級高圧力下単結晶中性子回折実験のための技術開発を行うことも大きな目的の一つである。
平成19年度は、まず、TbVO_3について研究を行い、G型軌道秩序からC型軌道秩序へと圧力による軌道状態の制御に成功し、これに伴って生じるC型磁気秩序からG型磁気秩序への磁気秩序状態の転移の観測に成功した。さらにこの二つの基底状態(G型軌道-C型磁気秩序とC型軌道-G型磁気秩序)の安定化エネルギーは拮抗しており、1GPa付近の転移圧力近傍において2相共存状態の可能性があることが判った。
次に、充填スクッテルダイト化合物PrFe_4P_<12>について研究を行った結果、約2.5GPaで電気多極子極秩序から反強磁性磁気秩序へと秩序パラメータのスイッチングが生じ、この反強磁性相が4.3GPaにおいても極めて安定して存在することが判った。この磁気秩序相の磁気モーメントが2晩であることから基底状態は縮退したΓ_1-Γ_4の擬四重項であり、このため、基底状態には磁気双極子以外にも多数の秩序パラメータが存在することになる。これら秩序パラメータの秩序化エネルギーが拮抗していることが、この物質においては圧
さらに、高圧下単結晶回折実験に最適な圧力媒体の探索を行い、ごく身近な液体であるグリセリンが7GPaにおいても良い静水圧を伝達することを発見した。この実験結果は、高圧下単結晶回折実験を行う研究者にとって貴重に情報になる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Development and Application of High-Pressure Apparatus for Magnetic Neutron Diffraction Studies2008

    • 著者名/発表者名
      長壁 豊隆
    • 学会等名
      International Symposium on Pulsed neutron and Muon Sciences at J-PARC 2008(IPS08)
    • 発表場所
      茨城県市町村会館(水戸市)
    • 年月日
      2008-03-06
  • [学会発表] 充填スクッテルダイト化合物PrFe_4P_<12>の圧力誘起磁気秩序2007

    • 著者名/発表者名
      長壁 豊隆, 桑原 慶太郎, 川名 大地, 岩佐 和晃
    • 学会等名
      第48回高圧討論会
    • 発表場所
      倉吉パークスクエア(鳥取県倉吉市)
    • 年月日
      2007-11-22
  • [学会発表] 単結晶中性子磁気回折用ハイブリッドアンビル技術の開発と応用2007

    • 著者名/発表者名
      長壁 豊隆
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2007年大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県千葉市)
    • 年月日
      2007-05-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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