(1)ランダムグラフ上のk-コアパーコレーションについて、その転移点が1次元力学系のサドルノード分岐点として与えられることを厳密に示した。その知見にもとついて、動的事象のゆらぎを理論的に計算した。この結果は、様々な系の理論的解析のもっとも簡単な例題として位置づけられる。 (2)実際、このアイデアに沿って、ランダム磁場下のスピン模型が示す「乱れ誘起転移」を理論的に解析することに成功した。力学系の立場では、縮退したサドルノード分岐として捉えられることが分かった。この方法を「運動論的に制限された模型」に適用する方法も展開中である。 (3)さらに、粉体が示すジャミング転移について、その緩和時間の異常性に着目し、その理論的理解を目指している。格子模型の提案および解析を介して、普遍性クラスの同定を行っている。
|