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2009 年度 実績報告書

揺らぐ動的事象の協同的振る舞い

研究課題

研究課題/領域番号 19540394
研究機関東京大学

研究代表者

佐々 真一  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30235238)

キーワードゆらぎ / 協同現象 / 動力学 / 雪崩 / 非平衡 / ガラス転移
研究概要

今年度のもっとも大きな成果は、ゆらぐ動的事象の協同現象を示す現象について、厳密に議論できるアイデアを提示したことである。具体的には、ランダムグラフ上で定義されたランダム磁場イジング模型の振る舞いを「直感では全く分からない秩序変数」に対する有限自由度力学系によって厳密に記述することに成功した。その方程式の分岐解析に基づいて、ランダムグラフ上の模型については、ゆらぎに関する統計も含めて全ての臨界指数を決定した。また、結果にもとづいて、空間有限次元系の振る舞いについての大雑把な近似を与えることができる。この系の特徴的な現象である、臨界的雪崩現象についての、第一近似理論が出来たことになる。
この結果は、この研究課題の達成点として位置づけられる。昨年度までの成果として位置づけられる「k-coreパーコレーションに付随した動力学」に関する結果も今回の解析からより一般的に導出できるし、動的ゆらぎの解析については昨年度までに培った研究結果にもどつくからである。
また、解析の鍵となるアイデアは、模型の詳細に依存しているわけではなく、あるクラスの模型や現象に対しては有効な出発点を与えている。今後はその発展可能性を検討することが必要であろう。
この結果は、プレプリント(arXiv : 0912.4790)として公表し、学会にて発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Two Langevin equation in the Doi-Peliti formalism2010

    • 著者名/発表者名
      K.Itakura, J.Ohkubo, S.Sasa
    • 雑誌名

      J.Phys.A : Math.Theor 43

      ページ: 125001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] singular perturbation near mode coupling transition2009

    • 著者名/発表者名
      M.Iwata, S.Sasa
    • 雑誌名

      J.Phys.A : Math.Theor. 42

      ページ: 245001

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Representation of nonequilibrium steady states in large mechanical systems2009

    • 著者名/発表者名
      T.S.Komatsu, N.Nakagawa, S.Sasa, H.Tasaki
    • 雑誌名

      J.Stat.Phys. 134

      ページ: 401-423

    • 査読あり
  • [学会発表] ランダムグラフ上多体動力学模型の厳密分岐解析2010

    • 著者名/発表者名
      佐々真一
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2010-03-21

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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