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2007 年度 実績報告書

量子スピン系の新たなモンテカルロ計算方法(確率的状態選択法)

研究課題

研究課題/領域番号 19540398
研究機関山梨大学

研究代表者

宗久 知男  山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (30174254)

キーワード量子スピン / 数値計算 / 第一原理的方法 / モンテカルロ法 / 三角格子 / 確率的状態選択法 / 負符号問題 / 試行状態
研究概要

量子力学・場の量子論において、ハミルトニアンから物理量の数値計算をする第一原理的方法は極めて重要であり、申請研究課題は、新たな第一原理的な数値計算方法である「確率的状態選択法」の開発である。この方法はモンテカルロ法の原理的改良になっており、従来ではできなかった確率的計算が可能になっている。
H19年度の研究においては、確率的状態選択法の能力をさらに開発して実用的方法とするための改良をおこなった。具体的な計算対象は三角格子ハイゼンベルク量子スピン系(48サイト)である。この系において良い試行状態を作り出す方法について研究をおこない、その方法を確立した。良く知られているように三角格子量子スピン系の古典システムは強いフラストレーションのために、単純な古典配置がない。そこでまず変分モンテカルロ法の考えを利用し、スピンのz成分のみを含む古典ハミルトニアンを用いて、そのエネルギーが最低である状態を見つける。こうして集めた状態数は数百万個で、対称性を考慮した基底では約1万個になる。この1万個の状態を初期状態にして、ハミルトニアンを演算することにより、より良い近似状態を得ていく。この方法は、全スピンが1以上の励起状態の良い試行状態をつくることにも適用できた。
また確率的状態選択法の数学的可能性を更に探求し、負符号の問題が生じる系においても十分な状態数をとれば統計的平衡があることを見出した。このことを用いれば、高い精度でエネルギー固有値が求められることがわかり、論文として公表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] An equilibrium for frustrated quantum spin systems in the stochastic state selection method2007

    • 著者名/発表者名
      Tomo Munehisa, Yasuko Munehisa
    • 雑誌名

      Journal of Physics: Condensed Matter 19

      ページ: 196202-196200

    • 査読あり
  • [学会発表] 最適化問題における確率的状態選択法-焼きなまし法との比較-2008

    • 著者名/発表者名
      山崎紘揮、宗久知男、宗久保子
    • 学会等名
      電子情報通信学会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2008-03-15
  • [学会発表] 分布推定法とマルコフモンテカルロ2008

    • 著者名/発表者名
      近山 祐美、宗久知男、宗久保子
    • 学会等名
      電子情報通信学会
    • 発表場所
      筑波大学
    • 年月日
      2008-03-14
  • [学会発表] 確率的状態選択法による三角格子量子スピン系の変分波動関数の評価2007

    • 著者名/発表者名
      宗久知男、宗久保子
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-22

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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