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2007 年度 実績報告書

格子模型のフラクタル構造と平衡および非平衡系への展開

研究課題

研究課題/領域番号 19540400
研究機関名古屋大学

研究代表者

南 和彦  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (40271530)

研究分担者 小西 哲郎  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30211238)
渡辺 宙志  名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (50377777)
永尾 太郎  名古屋大学, 多元数理科学研究科, 准教授 (10263196)
キーワード可解格子模型 / IFSフラクタル
研究概要

six-vertex模型は自由エネルギーが境界条件に依存するが、同時に自由エネルギーはその境界における下/左向き矢印の密度によって決定され、それがともに1/2であるとき、古くから知られているLieb-Sutherlandの厳密解が得られる。このことは格子の形状によらず成り立つので、自由エネルギーが境界条件に依存する系においても自由エネルギーの相加性が成り立つことをあらわに示したひとつの例になっている。このことを証明した論文について、査読者とのやり取りを長く続けていたが、最終的に受理された。
Six-vertex模型の状態空間においてIce ruleをみたす配位の生成の規則はIFSによって記述され、可能な配位の全体は熱力学的極限においてIFSフラクタルになる。XXZ鎖との間に等価性があるsix-vertex模型について、対応するフラクタル集合を構成し、そのフラクタル次元と自由エネルギーとの関係を、温度を含めて定式化した。この結果、格子模型において境界条件を分類するn-equivalenceに加えて、可解模型での基本的な道具である伝送行列にあたる構造が、フラクタル幾何において既に知られていたことがわかった。
この対応関係は、一般に伝送行列によって取り扱われる格子模型で同様に成り立ち、Yang-Baxter関係式をみたし可解な格子模型に対応して、フラクタル次元が厳密にわかるフラクタル集合が構成できることを示している。また逆に、フラクタル幾何において知られている構造を、格子模型に翻訳することが可能になる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The free energies of six-vertex models and then-equivalence relotion2008

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiko Minami
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Physics 49

      ページ: 033514

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Yf fluctuations in spinning-particle motions around a Schwarzschild black hole2007

    • 著者名/発表者名
      Hiroko Koyama, Kentakikuchi and Tetsuro Konishi
    • 雑誌名

      Physical Review D 76

      ページ: 064031

    • 査読あり
  • [学会発表] 可解格子模型におけるフラクタル構造2008

    • 著者名/発表者名
      南 和彦
    • 学会等名
      日本物理学会 第63回年次大会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-26

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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