• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

弱結合系におけるカイラリティを秩序変数とする相転移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540402
研究機関大阪大学

研究代表者

谷口 年史  大阪大学, 理学研究科, 准教授 (80207183)

キーワードカイラリティ / 異常ホール効果 / スピングラス / 相転移 / ユニバーサリティ
研究概要

カノニカルスピングラスではジャロシンスキー-守谷(D-M)型異方性は、スピングラス転移の性質に強く影響を与えると考えられている。この異方性の大きさは、ホスト金属の原子の軌道半径と異なる非磁性金属原子のドープで制御できることが知られている。この手法を用いD-M型異方性を系統的に制御した試料で、我々がAuFeで行ってきたカイラリティ起源異常ホール効果の測定を行うことを計画した。D-M型異方性が比較的弱いとされるAgMnにAu,PtをドープしD-M異方性を徐々に大きくした試料で、ホール抵抗率-磁化の同時測定を行った。また、D-M異方性の大きさがAgMnの約1/3程度であるCuMnをべースにした試料の作製、測定を試みた。異方性がAuFeなどに比べ弱いこれらの試料での測定は、シグナルが非常に小さくまだ十分なS/Nでの測定を行えていないが、ホール係数の非平衡成分と同時に測定した磁化の非平衡成分の異方性依存性が異なるという重要な知見を得た。この結果は、ホール効果にカイラリティが寄与し、カイラリティが磁化と結合し実効エネルギーが生じるとする理論的な予測を支持するとともに、磁化-カイラリティの結合定数がD-M異方性の大きさに強く依存していることを示していると考えられる。これらの知見より、物理的に重要なD-M異方性がゼロの、つまりハイゼンベルグスピン極限へ向かってのカイラリティ起源異常ホール効果のD-M異方性依存性を調べることができ、スピングラス転移の本質を解明できると考えている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Anisotropy dependence of anomalous Hall effect in canonical spin glass alloys2007

    • 著者名/発表者名
      K. Yamanaka
    • 雑誌名

      J. Phys.: Condens. Mater. 19

      ページ: 1452221-1452225

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chiral susceptibility of canonical spin glasses from Hall effect measurements (invited)2007

    • 著者名/発表者名
      T. Taniguchi
    • 雑誌名

      J. Phys.: Condens. Mater. 19

      ページ: 1452131-1452138

    • 査読あり
  • [学会発表] シンポジウム「異常ホール効果とnontrivialな磁気構造」カノニカルスピングラスのカイラリティ起源異常ホール効果2008

    • 著者名/発表者名
      谷口年史
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-24
  • [学会発表] 重い電子系Ce(Ru_<1-x>Rh_x)_2(Si_<1-y>Ge_y)_2における2つの異なる反強磁性の競合2008

    • 著者名/発表者名
      田口裕健
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-23
  • [学会発表] カノニカルスピングラスのカイラリティ起源異常ホール効果の異方性依存性II2007

    • 著者名/発表者名
      芦高尚子
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] カイラリティ起源異常ホール効果の評価II2007

    • 著者名/発表者名
      森本穣
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] 重い電子系Ce(Ru_<1-x>Rh_x)_2(Si_<1-y>Ge_y)_2における量子二重臨界点の探索II2007

    • 著者名/発表者名
      大矢紫保
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-21

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi