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2008 年度 実績報告書

弱結合系におけるカイラリティを秩序変数とする相転移の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19540402
研究機関大阪大学

研究代表者

谷口 年史  大阪大学, 理学研究科, 准教授 (80207183)

キーワードカイラリティ / 異常ホール効果 / スピングラス / 相転移 / ユニバーサリティ / パイロクロア酸化物
研究概要

カノニカルスピングラスではジャロシンスキー-守谷(D-M)型異方性は、スピングラス転移の性質に強く影響を与えると考えられている。この異方性の大きさを、ホスト金属の原子の軌道半径と異なる非磁性金属原子のドープで制御し、カイラリティ起源異常ホール効果の測定を行った。この測定より、カイラリティ起源異常ホール効果は、D-M異方性の大きさに比例することが分かった。この結果は、弱結合系の理論的な予測と一致し、D-M異方性がカイラリティと磁化の結合常数の役割を果たしていることを示すものである。この成果は現在論文投稿中である。
今年度は新たに、金属的な振る舞いが観測されているパイロクロア酸化物Ca_2Ru_2O_7の、スピグラス様転移の詳細解明のために、精密磁化測定を試みた。代表的パイロクロア酸化物R_2Ru_2O_7(Rは希土類元素)は、幾何学的フラストレーションによりスピングラスが発生すると考えられている興味深い化合物で、Rの原子半径の大きさにより金属絶縁体転移を起こし、金属相でカイラリティ起源による異常ホール効果が報告されている。また、絶縁体はスピグラスであるが、その起源は未だ不明である。Ca_2Ru_2O_7は、金属的でスピングラスが観測された最初のパイロクロア酸化物で、我々が研究を行ってきた合金糸のカノニカルスピングラスとの対応が興味深い。試料は中央大学佐藤研究室から提供していただき、精密磁化測定から臨界指数の決定を試みている。その成果の一部は、9月にドイツで開催された国際会議で発表した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Spin Glass Behavior in Metallic Pyrochlore Ruthenate Ca_2Ru_2O_72009

    • 著者名/発表者名
      T. Taniguchi
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Conference Series 145

      ページ: 0120171-0120174

    • 査読あり
  • [学会発表] パイロクロア酸化物Ca_2Ru_2O_7の非線形帯磁率II2009

    • 著者名/発表者名
      谷口年史
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-29
  • [学会発表] パイロクロア酸化物Ca_2Ru_2O_7の非線形帯磁率2008

    • 著者名/発表者名
      谷口年史
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-21
  • [学会発表] Spin Glass Behavior in Metallic Pyrochlore Ruthenate Ca_2Ru_2O_72008

    • 著者名/発表者名
      T. Taniguchi
    • 学会等名
      Highly Frustrated Magnetism 2008
    • 発表場所
      Braunschweig大(ドイツ)
    • 年月日
      2008-09-08

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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