研究課題
非圧縮流体中を一定速度で運動する定常渦流は「インパルス一定という拘束条件下での等循環面上のエネルギー極大・極小状態である」ことを証明し、これから、渦輪の進行速度を導く変分原理を構築した。トポロジー的不変量が鍵を握るが、平面流や軸対称流に対するカシミール不変量がクロス・ヘリシティの形で表現できることを見つけ、ヘリシティとの統一的観点を与えた。この変分原理と接合漸近展開法とを組み合わせることによって、非粘性流体中の軸対称渦輪の進行速度の渦核-リング半径比についての3次補正項を導出した。さらに、高レイノルズ数の運動にも適用して、Safffman(1970)の速度公式を大幅に改善した。この結果は数値シミュレーションとよい一致を示す。渦輪の3次元不安定性について直接数値シミュレーションにより調べた。計算手法の改良を行い、曲率不安定性が顕れることをはじめて確認し、さらに、非線形領域において曲率不安定性が弱められることを捉えることに成功した。らせん渦の安定性を短波長極限において調べた。らせん渦においても渦輪と同様に曲率不安定性が存在する。その成長率が捩れと回転の効果によって変化することを示した。弾性棒の3次元平衡形と渦ジェット糸とのアナロジーを発見し、それを手がかりに、弾性棒に対して、接線ベクトルとそれに垂直な2つのディレクターからなる正規直交枠SO(3)を変数とする変分原理を構築した。さらに、弾性棒の3次元進行波に対する厳密解を楕円関数と楕円積分を用いて陽に書き下すことに成功した。
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